小説引用文 名言 名台詞 (中島らも)
「そうではない。人間てなものも、神の目から見ればただの蟻さ」
「蟻かね」
「そうだ。一匹一匹は無知蒙昧だ。真理からはるかに閉ざされている。蟻に象のことがわかるかね」
「それはわからんだろう」
「当たり前だ。わかれば蟻は恐怖のあまり死んでしまう。知らないからああして地を這っていけるのだ」
「人間も同じだというのかね」
「何が変わった、二万年前と」
「蟻かね」
「そうだ。一匹一匹は無知蒙昧だ。真理からはるかに閉ざされている。蟻に象のことがわかるかね」
「それはわからんだろう」
「当たり前だ。わかれば蟻は恐怖のあまり死んでしまう。知らないからああして地を這っていけるのだ」
「人間も同じだというのかね」
「何が変わった、二万年前と」
- ガダラの豚 3
- 4087484823
非情に子供っぽものがこの二十過ぎの青年の中には残っている。それが現実との折合いを悪くさせている。大人の現実に参加するために、幼い彼はスプーンを曲げて差し出した。だが、その曲がったスプーンは大人社会には判読できない言語だった。清川は仕方なく世界の外側にいて、子供のままスプーンを曲げ続けている。
- ガダラの豚 2
- 4087484815
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