小説引用文 名言 名台詞 (浅田次郎)

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時間というものの蓋然性について考える。母を見るにつけ、時間というものはそれほど絶対的に、着実に流れているとは思えない。記憶という暗い流れの中で、孤独な人間を乗せて行きつ戻りつしている小舟が、時間というものの正体だと、真次は思った。
地下鉄(メトロ)に乗って
「このシェフ・ハットは伊達じゃない。司厨長の所在がどこか、誰からもすぐにわかるように、グラン・シェフはこういう帽子を冠っているんだ。首のナフキンは、汗が滴り落ちぬように巻いているんだ。ただ格好ばかりをつけているのは君らじゃないかね。何だねその軍刀は。その金ぴかの参謀懸章は。その略綬や階級章は。君も男ならば、そういう身なりを恥ずかしいとは思わんのか」
シェエラザード(下)
「ああ、おやすみ」、とくぐもった声が家の中から返ってきた。
「あんたも妙な気を起こすなよ。うちへ帰れよな。一週間帰らねえと、道順わすれるぞ」
地下鉄(メトロ)に乗って
「人間は、用事がなくなったら死ぬものだ。生きているからには、生きねばならぬ理由がある。いわば天命とでもいうのかな。この数年、私はそのことばかりを考え続けてきた。やはり――これだったか」
シェエラザード(上)
父母会のときはきたない地下足袋をはいてこないでと言ったら、運動会にはきれいな地下足袋をはいてきてくれた。
鉄道員(ぽっぽや)
浅田次郎」 by Amazon

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